俺の頭の中にテオくんの声が響く。
まだ少し頭はふわふわしてるけど、真剣にテオ君を見つめる。
そう言ってテオ君は苦笑いした。
違うよテオ君、俺も君が大好き。
でもなぜか俺は声が出なかった。多分さっきの驚きで思うように声が出ないんだと思う。
俺は必死に首を横に振った。
嫌なんかじゃないよ、気持ち悪くなんかないよ。
でも俺の気持ちは思うように伝わらない。
テオ君は今にも泣き出しそうだった
違う。俺は、俺は…
気が付いたら俺はテオ君にキスをしていた。
口を離し、ようやくちゃんと喋れるようになった俺はびっくりしているテオ君を見つめた。
また泣いてしまった。
テオ君に涙見せたくないから、俺はテオ君に背を向けた。
俺の身体が一気に暖まったような気がした。
それは、テオ君が抱き締めてきたから。
涙も一瞬で枯れちゃうくらいの驚きだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。