まふくんに返事は明日にしてください。
と言われて大人しく待っていた。
でも、淡々と時間は流れていき午後19時になった。
「待っててって言われたから待ってるのに…」
誰もいない部屋にぽつりと零した言葉は
やけに響いた。
飽きられちゃった ?
ううん。前から知ってた。
気づきたくなかっただけなんだ。
嗚呼、このまま捨てられちゃうのかな。
せめてお別れがほしかったな。なんて欲を言って、ほんとは悲しいという気持ちを押し殺した。
まふ)…ただいま。
ほら。今日は泣き崩れるだろうな。
と自嘲を心の中でつぶやく。
あなた)あ、おかえり…なさい、。
まふ)…あなたちゃん。
昨日の返事。
あなた)あ、うん……。
私が出ていけばいいんだよね?
まふ)…は?
あなた)今まで迷惑かけてごめんね。
お世話になりました。
まふ)ちょっと待ってください。
まだ何にも言ってません。
あなた)…なに、?
そんなにして私を傷つけたいの!?
まふ)…あなたちゃん。
…結婚。してください。
そう言ってまふくんは指輪を渡してきた。
物語の結末はハッピーエンドなんて。
夢だろうな。と現実逃避をして。
まふ)…だめ、ですか、?
この指輪を買うためにいろいろ準備してて…
だから…強く当たってすみませんでした、。
あなた)…
ぽろっと一筋の涙が頬を伝う。
まふ)えぇっ!?そ、そんなに嫌でしたか?!
あなた)ちがっ、、嬉しいの、。
…私でよければお願いします…!
まふ)…!!あなたちゃんじゃなきゃだめです!ありがとうございます…‼︎
そう言ってまふくんは私を抱きしめた。
久々に感じる彼の温もりに幸せが満ち溢れていた。
ー happy end ー
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。