第8話

偽物の恋人
349
2022/05/26 09:49 更新
放課後、体育館裏。

このシチュエーションは

「告白現場」。

それ以外に何がある。

私の好きな人の嘘の情報を流したのは

元先輩だった?

でも何の得もないんじゃ…。
江田元
江田元
あなたちゃん。
まず、今日あなたちゃんの時間を割いて
ここに来てくれてありがとう。
あなた
あなた
いえ…。
気のせいかもしれないけど、

誰かに、

しかも複数人に見られている気がする。
江田元
江田元
あなたちゃん。
俺、あなたちゃんが好きなんだ。
付き合ってくれませんか。
もし、本当に私が元先輩の事が好きなら、

「OK」しただろう。

でも私、元先輩が好きな人じゃないから…。
あなた
あなた
ごめんなさい…。
私、他に好きな人が…。
モブ男
モブ男
何言ってんだよ!
お前が元のこと好きだって噂回ってるぞ!
やっぱ見られてた。
あなた
あなた
それは…。
モブ男
モブ男
違うのか!
確かにそうだけど…。
清水智貴
清水智貴
違うぅ…!
俺のせいだ!
元先輩と仲が良い智貴先輩が

少し泣きながら言った。
清水智貴
清水智貴
俺が噂をばらまいた。
嘘の情報を。
智貴先輩だったんだ…。

あんまり関わりはなかったけど、

いつも元先輩の隣にいて

嘘なんてつかずに

悪いことしない人だと勝手に思ってた。
江田元
江田元
そうだったんだ…。
あなた
あなた
智貴先輩だったんですね。
清水智貴
清水智貴
本当に2人共ごめん…。
俺は元のことを思って…!
江田元
江田元
俺のことを思って?
あなたちゃんは結局
好きじゃないことにはかわりない。
俺は智貴に助けてもらって嬉しくない。
清水智貴
清水智貴
本当にごめん…。
あなた
あなた
良いです。
私は大丈夫ですから…。
清水智貴
清水智貴
本当にごめん…。
江田元
江田元
智貴。
どれだけあなたちゃんが苦しんだか
分かってないだろ!
本当に呆れた。
ダメだ。

このままじゃ、

友情にヒビが入ってしまう。

動かなきゃ!
あなた
あなた
確かに、私は嘘の噂で
苦しい思いをしました。
でも、元先輩。
智貴先輩はどんな思いで
こんなことをしてしまったと思います?
何か訳があるはずだから…。
あなた
あなた
私はお2人をいつも休み時間で見かけて
「とても仲の良い大親友なんだな」
と思っていました。
何でも言い合って、
何かあったら助けてあげる。
そんな関係じゃないですか?
江田元
江田元
うん…。
あなた
あなた
だから、
「大親友である元先輩の役に立ちたい」。
そんな思いが生まれて
どうしようか考えに考えた結果、
このような考えに至ってしまったんだと
私は思います。
江田元
江田元
そうなのか、智貴?
清水智貴
清水智貴
そうだよ。
何でもいいから、元の役に立ちたくて。
悪い方向に行ってしまった。
本当にごめん…。
あなた
あなた
私は大丈夫です。
江田元
江田元
あなたちゃん…。
そして智貴。
ありがとう。

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