第6話

展示
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2018/04/05 01:02
人魚が展示されている水槽の造りは凄かった。
大きな水槽の真ん中にお城があり、その中は海中トンネルの仕組みで人間も入れるようになっていた。
他には、海藻がたくさん生え、林のようになっているところや
大きな貝殻が椅子のようになっているスポット。
そして、人魚の数は7匹だった。
人魚は魔法の力で人間の姿をすることも出来る。
それを披露するためか、時折水からあげられ、その姿を見せられていた。
7人は、ほかの水槽には目もくれず、一目散に人魚のコーナーへと走った。
人間
おい、あの人魚超可愛いんだけど、
人間
え、ホントだ。もろ俺のタイプ。
そんな声が聞こえ、みんなが見ている方に目を向ける。
それはお城の中で虚ろな目をし、ぼーっとしているあなただった。
ジミン
あなた!
ジミンはお城の中へ入っていく。
ほかの7人もそれに続いて入っていった。
中へ着くと、あなたの名前を呼んだ。
ホソク
あなた!
ジョングク
おいあなた?
ジミン
お願い、あなた…こっち見て…?
ジミンのその言葉で、あなたはゆっくりと7人の方を向いた。
あなた

何しに来たの…?

ジミン
ぼく達はただ…
あなた

笑いに来たの?それとも展示を喜びに来たの?

あなたの心がどれほどズタズタになっているのかは、その言葉だけで十分わかった。
ジミン
違う…
ナムジュン
あなた聞いてくれ。ぼく達はあなたのことを誰にも話していない。
ジン
ほかの助けてもらった人間たちが言っただけなんだ!
ユンギ
俺たちは最初からこうなることが予測できたから言わなかったんだよ。
テテ
じみなは本当にあなたのこと心配してたんだよ?
ジョングク
ジミニヒョンだけじゃなく、もちろん俺達も。
ホソク
信じてくれないか…?
あなた

本当…に?

ジミン
本当。信じて…?
全員の必死な訴えは嘘には聞こえなかった。
あなた

わかった。ごめんね。

あなた

混乱して、守ってくれようとしてたみんなも傷つけるなんて…

ジミン
そんなことない。大丈夫だから。
あなた

本当にごめん…

ジミン
大丈夫。ほら、手出して?
あなたとジミンはガラス越しに手を合わせ、お互いを見つめていた。

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