" 南水族館で人魚の展示を開始 ! "
そのテロップと共に映し出されたのは
水槽に入れられ、飾り物を付けらされ、戸惑いと不安に染まった人魚たちの姿だった_
ジミンはテレビを食い入るように見つめた。
テレビで見たところ、あなたの姿は見えなかった。
7人は不安げにテレビを見つめていた。
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おかしい。
いつもなら人魚たちで賑わっているはずの海の底。
なのに今日はたった数名しかいない。
状況が把握出来ずにいると
知り合いの人魚が訊ねてきた。
─あの7人が、私たちの存在を教えたの…?私たちの仲間を捕らえて自由を奪ったの?─
信じたくなかった。名前まで聞いてくれて、いい人だと思っていたから_
そんなことを悶々と考えていたその時、
気がついた時にはもう遅かった。
巨大な網に尾びれが絡まり、動けなくなっていた。
頭上には大きな船。
もう無理だと悟ったあなたは、せめて仲間を逃がそうと網を自分だけに巻き付け、他の人魚を逃がした。
そう促すと、人魚たちは深い海の底へ消えていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。