~ 寅谷千秋 side ~
今日はどっかの学校の文化祭に行くんだけど。
どこの学校かも知んねーし....
俺はとりあえず眠かったから車で寝ることにした。
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でもみんな文化祭の衣装とか着てて、
制服が見えない。
塚っちゃんのドSぶりに苦笑しながら、
俺はステージ裏へ向かった。
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バンドかー。すげー盛り上がり様だな。
人一倍声の大きい女の子の声が聞こえる。
すげーな。声枯れそ。
俺は軽く咳払いをして、マイクを持った。
そして。
俺が一言発するだけでもう生徒は
わーわーきゃーきゃー。
さすが俺。
ステージに出た瞬間見えたのは...
思わずそう小さい声で出てしまった。
あの時の女の子だ....!
みんな騒いでくれてるのに、
なんかあの子静かじゃない?
あの子のこと話してる....?
てか叫んでたのあの子だったの?
なのに今静かって...
俺嫌われてる!?
俺はつい気になって “ 薫ちゃん ”に話しかけてた。
もしかしたら俺協力してもらえれば
あの子に会えるかも。
俺に興味なさそうだし...
よし。
俺はもう一度あの子と話したい。
それだけ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。