み、見つかってしまった
やっぱり無理矢理にでも放すんだった...
な、何を平然と言ってるんだこいつは...
私は爆弾を投下しそうなこいつの口を塞いだ
そして、二人をごまかして道路脇へ引っ張った
一緒に住んでる事まで言うとか信じられない!
私は念を押して二人のもとへ戻った
学校では喋らないようにしないと...
やっぱりキラキラした人は苦手だわ...
二人のもとへ戻ると、当然のように質問攻めにあった
そりゃそーですよね...
でも学校の人気者がヴァンパイアで私がその餌になったとかどう説明すればいいわけ?
と言うかバラしていいんだろうか
二人は渋々納得してくれた(絶対してないけど)
はぁ...これからどーしようかなぁ...
そして、あっという間にお昼になった
お腹すいたとかって吸いに来ないよね...
なんかものすごい来そうなんだけど
結局昨日も夜吸われてないし...
黄瀬とかに呼ばれたら校舎裏呼び出し決定だよ...
そんなことを考えていると、あることに気付いた
絶対わかってないでしょ
行ってくる、と言いかけたとき、廊下から女子達の歓声が聞こえた
この黄色い声はまさか...
ちらりと廊下を見ると、黄瀬が私達のクラスに向かって歩いてくる
な、何でこっち来てんの?
私はなるべく顔を見られないようにグラウンドの方を見た
このまま通りすぎて...
通り...すぎ...
と、通り...
と...
私はダッシュで黄瀬を捕まえて人気のないところへ連れていった
うっ...この野郎...
やっぱり苦手だ!いや、嫌いだ!
なんで?
この人自分がどれだけ人気か分かってないわけ?
そう言いかけたとき、いきなり黄瀬がキスしてきた
しかも深い方の
もう最悪...
なんでこんなめに遭ってるんだろう
人気のないところで厭らしいリップ音が鳴り響く
もう何がなんだかわからない
キスをしてから1分弱
ようやく黄瀬が離れた
流石に1分もしてれば息が続かない
私は急いで酸素を確保した
黄瀬も同様に呼吸が荒い
すると、フッと笑って
渡してきたのはお弁当だった
...普通に渡せよ!
私はそのお弁当を受け取ってすぐにクラスへ戻った
あぁ、私の高校生活無事に過ごすことできるかな...
...無理だよな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。