第43話

好きって気持ちは言わないと分かんない
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2018/05/29 10:55
青峰大輝
何でここにいんだよ
あなた

青峰こそ...

急に告げられた別れにまだ頭が整理できていないのに、今気まずい青峰に会うなんて最悪だ
青峰大輝
黄瀬に呼び出されたんだよ
黄瀬に...?なんで...?
青峰大輝
黄瀬いないならいーわ
青峰は、くるりと後ろを振り返り歩き出した

行っちゃう

青峰が

せっかく久しぶりに会えたのに
あなた

待って...!

私は無意識に青峰を呼び止めた
もちろんこの先何を言うかなど考えていなかった
でも、このチャンスを逃したらまた青峰と話せなくなってしまう
せっかく自分の気持ちに気付けたのに...
黄瀬も、応援して身を引いてくれたのに...
青峰大輝
なんだよ...
青峰のイラついた顔が、私の言葉を留めさせる
でも、言わなきゃ...
好きって気持ちは、言わなきゃ絶対分かんない...
私は1つ深呼吸をし、青峰と目を合わせた
あなた

青峰に、言わなきゃいけないことがあります

青峰大輝
......
とりあえず話を聞く体制に入ってくれた
少し安心してから、私は恐る恐る口を開いた
あなた

怜生のことも、黄瀬のことも、全部青峰の勘違い
好きだっていう気持ちがあったわけでもないし、付き合ったりもしてない

青峰大輝
じゃあ何であんなことしてたんだよ?
お前が好きだった俺への当てつけか?
あなた

違う!怜生も黄瀬も私からじゃなくて...

違う...あの二人が悪いんじゃない
いつまでも決めずにいた、優柔不断な私のせいだ...
あなた

けど、いつまでも答えを出さなかった私が悪かったんだ
二人とも大切な存在だったから、傷付けたくなくて...

青峰大輝
......
あなた

でも、そんなの言い訳にならないことくらい分かってる
もう、私の恋が実ることがないことも...
でも私は...

私は───
あなた

私は、青峰が好きだから
付き合えなくてもいい...でも、もう一生話せなくなるのは嫌だから...

青峰大輝
どういう事だよ...
あなた

え?

青峰大輝
どういう事だって聞いてんだ
どういう事...?
私は、青峰と話せなくなるのが嫌で...付き合えなくてもいいから...
違う、付き合えなくていいなんて思ってない
あなた

青峰が好きだから、付き合いたい...

青峰大輝
はぁーー...
青峰は大きなため息をついた
あーあ...ダメだったか...
青峰大輝
あなたさ、馬鹿なの?
あなた

へっ...?

青峰大輝
誰がいつあなたを嫌いになったって?
あなた

だ、だって...好き“だった”って...

青峰大輝
...んなこと言ったか?
はぁ...!?
え、でもそれって...
青峰大輝
とりあえず、俺はお前を嫌いになった覚えはない
むしろ、今すっげー最高なんだけど
あなた

それって...

青峰大輝
俺も、まだあなたが好きなんだけど
うそ...
青峰は徐々に近づいてきて、私の腕を引っ張り抱き寄せた
あなた

あ、あおm...ん...///

顔を上げたら、青峰に軽いキスをされた
青峰大輝
俺と、付き合ってくんね?
あなた

...私でよければお願いします//

私達は顔を見合わせてクスリと笑い、もう一度唇を合わせた

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