案外1年は短かった。
暖かくなり始めて、春が近づいて来るのがわかった。
いつも一緒にお昼ご飯を食べている藍の一言。
藍と奈緒といつも一緒にいるからか、
2人から見ると私には友達がいないようにみえるみたいだった。
藍に言われる、「ちょっと..天然すぎて怖いんだけど。」
奈緒に言われる、「あなた、それ本気?」
湊に言われる、「あなたはさ、危なっかしくて目が離せないんだ。」
そうに言われる、「おまえ、頭のネジ何本抜けてんの?」
これを総合したのが心配ポイントなんだろう。
少し素っ気なかったかもしれない。
2人にも、それぞれの事情とかあるのに
私を考えてくれた。
なんで私はいつもこうなんだろう。
こんな本音は、消えてしまえばいいと思った。
クラスメイトの話す声で、私の願い通り消えてった。
たった1年でここまで差がついてしまう辛さを、
今更と言ってもいいほど遅くに知った。
聞こえていたことを、私は知らない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。