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第3話

chapter2
470
2018/02/26 22:28
章ちゃんが産まれた次の日。


一応、入院をしているが


章ちゃんともなかなか会えないし


することもないので


看護師さんが置いていってくれた


雑誌に目をかたむける。


"ママさん交友会"

というタイトルの特集ページに目が止まる。


初めて子育てをする新米ママの質問に

ベテランのママが答えてくれるコーナーらしい。


為になりそうなので読んでみる。


そこに書いてある新米ママさんの質問は

私が疑問に思ったことや

私が不安に思ったこともいくつかあった。


そこで1番、目に止まったのは


"子供の前では、旦那をパパと呼ぶべきか?"


という質問。


この質問の返答は賛否両論……というか


意見がきっちり分かれている……?


パパ、ママと呼び合う方。

子供に話す時だけパパと言う方。

子供の前ではパパママと呼びあい、

2人きりの時は名前呼びをする方。
あなた
(でも、やっぱり

章ちゃんに早く覚えてもらえるように

"パパ、ママ"呼び

したほうがいいよね…? )
まぁ、まだまだ気が早いけど。



そんなことを考えながら

雑誌を捲っていたら

いつの間にか眠りについていた。
すばる
……あ、起きたん?
あなた
あ……ごめんね、寝ちゃってた……
ぱっと目を開けたら、


私の隣に座って


雑誌を読んでるすばるくんがいた。



私がベッドから体を起こすと


読んでいた雑誌を片付ける。



あ、さっき私が読んでた雑誌だ……。

すばる
読みながら寝たんやろ?

俺が来た時、持ったまま寝てたで
笑いながら、冷蔵庫から


何か皿を出すすばるくん。
あなた
これなーに?
すばる
りんごー
皿を覗くと中には


兎の形に切られたりんごが入っていた。



すばるくんが切ってくれたんかな……?

すばる
あんな、今日

ヒナと亮に教えて貰ってん

兎の作り方。
すばる
あなた、

食欲ない言うてたけど

可愛くしたら

食べれるかな思うて……
わざわざ、


会社の人に教えてもらってまで


私に兎を作ってくれたんだ。



すばるくんは、照れているのか


口をもごもごさせながら話をする。



すばる
それに……

章大の為にも、

しっかり栄養取らなあかんで?

あなたは今、

自分と章大の分の

栄養を取らなあかんねん!

いつもの倍は食べんと!
フォークでりんごを刺して、


"はい"と私の口元に


持ってきてくれるすばるくん。



ちゃんと章ちゃんのことも


考えてくれてる。



当たり前だけど、


すっかり"パパ"なんだなぁ。

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