第4話

帰り道
1,205
2018/01/11 16:41
それは仕事の帰り道、買い物を終えて陸が待っている家へ帰ろうとした時のこと
カオル
まったく、何であの人は人間で頭が良さそうな奴の血を吸って吸血鬼にして連れてこいだなんて命令をしてきたのかしら...。本当に理解できないわ!それにしても頭が良さそうな奴なんて、誰にすればいいのかしらね...。
七瀬天
七瀬天
さてと、早く家に帰って陸にご飯作ってあげないと
カオル
...ん?あら、前から歩いてくるあの子、イケメンじゃないの。それにあの子のオーラはなんだかすごいわ、あれは何でもそつなくこなせる人間が放つオーラだけど今まで見てきた人間達よりもかなり強いオーラだわ...。よし、あの子に決めた。まずは血を吸って吸血鬼にさせてあげないと...。
七瀬天
七瀬天
(あ、前から女の人が歩いてくる...。)こんばんは
カオル
ふふ、こんばんは。突然でごめんなさいね、あなたには悪いしあの人の考えていることはまったく分からないけど...。頭が良さそうな人間を吸血鬼にして連れてこいって命令されているの...。悪く思わないでちょうだいね...。まずはあなたの血を吸わせて...。そのあとで吸血鬼にさせてもらうわ...。
七瀬天
七瀬天
え...?ちょっと何、どういうこと?離して、吸血鬼って...。
カオル
いただきます...んっ、んっ...。
七瀬天
七瀬天
...っ!?何これ、本当に僕血を吸われて...っ!?吸血鬼って、本当に!?
カオル
...んっ、嘘...何これ...あなたの血すごく美味しいわ、今までの人間の血の味とは比べ物にならないぐらい...。吸血鬼にさせる前に、あの人に伝えるべきよね...。
七瀬天
七瀬天
ちょっと待ってよ、さっきから何言ってるの?僕の血を吸ってきて、それに連れていくとかなんとかって、どこに連れていく気なの?僕はこれから家に帰って陸...双子の弟にご飯を作ってあげないといけないんだ、それに陸は病気なんだ、そんな弟を置いていくことなんてできる訳ないでしょ
カオル
あら、いいのかしら?もしあなたがついてこなければ、大事な弟さんを吸い殺しちゃうわよ?それに病気の弟さん、もしかしたら吸血鬼にさせて病気のことなんか治すこともできるかもしれないわよ?
七瀬天
七瀬天
大事な僕の弟に手を出すなんて許さないよ、それについていく気もさらさらない!
カオル
あら、そう残念ね...。でも連れていくわ、無理矢理ね...。
吸血鬼はそう言うと目が赤くなり...。その目を見た僕は動けなくなり、陸との約束を果たせないままにいきなり現れた吸血鬼に血を吸われて訳も分からないままに動けなくされてどこかに連れていかれて...。
七瀬天
七瀬天
(ごめん、陸...約束守れなくて...一人にさせて、ごめん...陸...。)
そうして僕の意識はそこで途絶え、次に目が覚めるとそこは知らない場所でー...。

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