第10話

保健室《愛side》
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2018/01/15 02:38
『愛ちゃん!愛ちゃん!』

『愛ちゃん!僕愛ちゃんの事好きだよ!』
んん…祐くん…
パチッ
目を開けるとそこは真っ白い天井に

少し消毒液の匂い

そして…

私の大好きな祐くんの香り
祐くん…いい匂い…
奏翔
ごめん俺、東雲じゃない…
ほえっ?!
体を起こすと確かにそこには

奏翔くんが…

でも祐の匂いが…
顔をキョロキョロとしてたら

祐の匂いがあった

それは祐が着てたブレザー
奏翔くん…祐は?
奏翔くんは悲しそうな表情で笑って
奏翔
教室…だよ?
愛ってほんと鈍いよね
へっ?
奏翔くん何言ってるの?

私が鈍い?

そんな事ないと思うけど…

確かに方向音痴だし優柔不断だし

頭は良くないし…
奏翔
うーん、愛が考えてる事は
少しズレてる笑
ええっ?!
ズ、ズレ…てる?

ど、どういう事?

わけわかんない
奏翔
人が誰かを好きとか
絶対分からないよね?ってこと
えっ?奏翔くん好きな人いるの?
そういうこと…だよね?

鈍い…とかさ
奏翔
愛…今のタイミングで言うの合ってるか
わからないけど俺、愛が好き
えっ?えっ?

待って展開が早すぎて

頭がついていかない

だってほんのちょっと前に

会ったばかりだよ?
奏翔
愛、会ったばかりなのになんで?
って思ってるでしょ笑
な、なんでわかるの?!

奏翔くんってエスパーかなにか?

今もずっとニコニコしてるし
奏翔
とにかくっ!
俺は気持ち伝えたから俺の事を考えてほしい
そう言ったあとに

祐がどうのこうの言ってたような…
わかった。
奏翔くんの事考えてみる
奏翔くんは嬉しそうな顔をして

ありがとう、と呟いた
祐也
愛、帰るぞ
タイミングがいいのか悪いのか

祐が保健室のドアを開けて入ってきた
うん!
バイバイ奏翔くん!
奏翔
あぁ、お大事に
私は奏翔くんに手を振って

家路についた。

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