ある夜、夢を見た。
夢の中の少女は血だらけで、沼でもがいていた。
「助けて。」
そう叫んだ少女を助けようとしたが、足が動かない。
そのうち、少女は段々と沈んでいき、最後に
「呪ってやる。」
と叫んだ。
この夢とつなげることが出来る気がする。
そう、夢のなかの少女と血鬼がとても似ている。
「うーん。その夢と今回の・・・呪い?か、関係が無いとは言えないね。」
チョロ松が腕を組んでしかめっ面をした。
「だろ?その時はただの夢だろうってほっといたんだけど・・・今思い出した。」
「おそ松兄さんがその夢見たのはいつ位?」
トド松が聞いてきた。
「ん〜、だいたい2週間位前かな。」
血だらけで沼に沈んでいく少女と血鬼。
そして最後に言い残した言葉と今回の事。
何の関係があるのだろうか・・・?
解決することが出来れば止められるかもしれない。誰も失わずに済むかもしれない。
気付いたらカラ松はとっくに輪の中にいた。いつもと違うのは、全く発言をしなかった事だ。
まぁ大丈夫だろう。
時計を見上げた。
午後1時。
ネットカフェに行って何か調べてみよう。
「ちょっと出かけてくる。」
と言うと、皆
僕も・俺も と行動を始めた。
が、カラ松だけはずっと考え込んで動かなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。