第4話

嫉妬
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2018/01/21 08:56
あなた

やめて、髪 ぐしゃぐしゃになる

ぱっぱっ、と來雅の手を払う。

これ以上、女子の視線に耐えられるメンタルはありません…
來雅
髪なんかいつも気にしてないだろ
何だこいつ‼

毎日早起きしてセットしてるっつーの!

あなた

…失礼なッ‼

軽く來雅の足を蹴ってやった。

痛がる來雅にドヤ顔をむけてやる。
來雅
暴力的な女は嫌われるぞ
そう言って私の頭に肘を置き上から押してくる來雅。

身長縮むんでやめてください。
その腕をどかそうとしたときだった。




「ガタッ」


と大きな音をたてて羽瑠が椅子から立ち上がる。
あなた

ど、どうした…?

羽瑠の顔を覗き込むように問う。

でも羽瑠は何も答えてくれない。
あなた

取り敢えず 座って…?

羽瑠の腕を掴み再度座ってもらう



…………否。






腕をつかもうとしたときだった






羽瑠が私の腕をかわし、ドアの方へ走っていく。
あなた

え、は、羽瑠 …!?

私が呼んでも足を止めるどころか振り返ってすらくれなくて

そのまま教室から出ていってしまった。



突然のことで理解できなくて思考が止まる。
美桜
羽瑠くん可哀相…
来夏
彼氏の前で他の男とイチャつくとかあり得な〜い
クラスメイトの美桜と来夏がわざと私に聞こえるように話している声が耳に入る。

來雅
あなた…なんかごめん
來雅にもそれが聞こえたようで申し訳なさそうな表情で謝ってきた。
あなた

ううん、來雅のせいじゃないから

來雅
追いかけたほうがいいんじゃね…??
あなた

あ、うん!

來雅
あ、待って!
あなた

ん…?

羽瑠を追いかけるため、立ち上がり、歩きだそうとしたら來雅に止められる。
來雅
羽瑠にごめんって言っといて…
あなた

おっけ

少し微笑んで歩き出す。



すぐ見つかるといいけどな……

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