第6話

5個目の光
33
2018/01/18 09:21
どう反応したらいいかわからなかった。

「簡単に言ったらこんな感じ。」

彼女の嫌なほど頭に残る笑みはまだ消えない。

「ねぇ、貴方は何でここにいるの」

「何で、ねぇ…。特に意味はないよ。ただ、面白そうだっただけ。だから貴方たちにこの事を教えたの。あー、貴方たちの歪んだ表情を見れる日が楽しみだわ」

「俺たちが触れることで、前世が見えると言うことに気がついたとして。俺たち生活には何にも関係ないだろ」

「いや、関係あるよ。」

魔女さんは、今までで1番深みのある声で言った。

「君達2人は未来、確実に苦しむことになる。」

「…なんでそんなことわかるんだよ」

「未来が見えるから。貴方の残酷な未来が」

向葵さんの残酷な未来

私はどんな未来でも受け止めるつもりだ。

でも、向葵さんは、高校時代によくしてもらった先輩だから、できるなら彼だけは

「未来を見ることができるなら、変えることもできるんじゃ」

「できるよ、でも、未来は変えない。そんなの面白くないじゃない?せっかくの面白い機会を私逃したくないもの」

魔女とは皆こう言うものなのだろうか。

「そんな…」

「魔女ってみんなこう言うものよ?人の不幸が大好きなの」

彼女は、決していいとは言えない性格をしていた。

でも、私はその発言にどこか引っかかるところがあった。

何かと聞かれたらわからないけど。

「私、面白そうなことは絶対逃さない性格なの。まあそういうことだから、これからもちょくちょく2人の前に姿をあらわすかも。その時はよろしくね〜」

彼女は、「あと私はイブ。魔女って呼び方好きじゃないの」そう言って消えていった。

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