※この回は、向葵目線です。
そのことを確認した上、お進みください。
目を開ける。
俺はソファーで仰向けに寝ていた。
まぶたをゆっくりと開けると、それを待っていたかのように俺の目を満たしていた涙はすうっと頬を伝って落ちてゆく。
最近、こんなことが増えている気がする。
ノイズがかったような感覚に、視界が暗転する、そんなことが。
そして、それと同時に、
胸を握りつぶすような、えぐるような痛みもついてくる。
今回は、それがより一層強かった。
だから、気がついてしまった。
この痛みの正体に。
思わず、ため息が笑いと一緒に出た。
「またか?勘弁してくれよ。」
こんなの、一生かかっても無理なのに…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。