第2話

小さな男の子
1,427
2018/01/18 08:45
約束。好きな人と。ずっと一緒。

嬉しくて嬉しくて。たまらなかったのに。



あなた

え?瞬くんまだ学校きてないん?

男の子
男の子
もう長いこときてないのにな...
どこ行きよったんじゃ...
あなた

私お家行ってみる

約束した次の日から、瞬くんは学校に来なくなった。

帰り道、瞬くんの家の前を通った時、電気は
ついていないし、インターホンにも応じなかった。
あなた

体調悪いんかなぁ...

瞬くんのママとパパは東京で仕事してて、
瞬くんはおばあちゃんと2人暮らしだった。


それから何日通っても通っても家は暗がりのままで。
でもある日。
あなた

電気ついてる...!

私は家の中に光が見え、すかさずインターホンを
押した。


≫ガチャ≪
女性
女性
どなた様?
あなた

え?

扉を開けたのは、見たことない綺麗なお姉さん。
瞬くんのママかな?
あなた

瞬くんは?

女性
女性
あー、前の家の子ね、その子なら
引っ越したわよ
あなた

嘘や...!

衝撃的すぎた。
だってずっと一緒にいようって。約束したんだもん。
私はお姉さんの隙間をくぐり抜けて家に入った。
女性
女性
あっ、ちょっ、こら..!
瞬くんいるんでしょ?このお姉さんが嘘ついてる
だけでしょ?ほら、瞬くんのお部屋あけたら...


≫ガチャ≪
小さな男の子
小さな男の子
誰?
ちっちゃい男の子。
ちっちゃいけど、瞬くんじゃない。
あなた

うわぁぁぁああん!





上京して出会ったのは、私がずっと会いたかった
瞬くんじゃなくて。



冷たい、別の瞬くんだった。

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