私は奏耶くんに連れられてグラウンドについた。
的場くんと美空ちゃん、今頃....
両思いになって付き合ったりするのかな。
私の役割は、2人の仲を邪魔することじゃない。
わかってるのに....
気になって仕方なくて。
入らなきゃいいよね?
聞くだけなら、許されるよね?
教室に着いた私は、隠れながら床に腰を下ろした。
!!
聞こえる
そうだよね.........
やっぱり聞けない!!!
私はその場から逃げて離れた。
嫌だよ、聞きたくない。2人のこと応援したいって
思ってるのに、素直に喜べない。
天然な奏耶くんにもバレるって、私どれだけ
わかりやすいんだ...
それをずっと笑顔で言ってくるあたりが少し怖い。
本当は嫌だ。
私が的場くんから朝日くんの話されるとき、
いつもどんな気持ちでいたか。
それを伝えられるのは私しかいなくて。
私が素直になるしかない。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。