そう言うと、レオは「立てるか?」と私に聞いてきた。
私は「うん。」と返事をすると、スッと立ち上がる。
私はレオが「薬湯まで案内する。」というので、そのレオの後についていった。
生徒会室のドアを閉めると、レオが私の前を進んでいく。
私は後ろを黙って歩いていった。
相変わらず薄暗い廊下には、2人の足音が響く。
しばらく沈黙が続いて、私は気になっていた事を口にする。
その言葉にレオが少しだけ私をチラッと見た。
いわゆるチラ見ってやつ。
返事が消極的なものを選んでしまったせいで、話が終わりかける。
と、今度はレオが話す。
私は目を閉じて少し息を吸った。
そして、再び開ける。
どうやら、レオも何かを察したのか、足を止め、こちらを向いた。
少し高いレオが私を見つめているのを見て、決意が揺らぎそうになった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。