第41話

桃色の花の花瓶 と 会長.
399
2018/01/20 22:36
草木の番人
何?
草木の番人は目の前の桃色の花の花瓶を陽の光が当たるところに移動させると、次に小さなアロエの花瓶を手前に持ってきた。
あなた

ベルナルドさんに、お礼が言えてないんです。

草木の番人
ベルナルド?
あなた

はい…

私はこの時に気がついた。
草木の番人がベルナルドさんを知らない可能性がある、という事を。
あなた

あ、あの、ベルナルドっていう名前の生徒会役員の方がいるんです。(笑笑)

草木の番人
うん、知ってる。
それで?
あなた

あ、そうなんですか。
そのベルナルドさんにお礼が言えてないんです…昨日、助けてもらったんですけど。

草木の番人
へぇ…会長じゃなかったんだ。
あなた

え?

草木の番人は首を横に振り、「なんでもない。こっちの話。」と付け足した。
しかし、草木の番人の最後の言葉が私には聞こえなかった。
草木の番人
もう行ったほうがいいよ。そろそろ会長が帰って来るはずだから。
私は首を傾げる。
どうして、会長のところに行かなければいけないのか、分からなかったからだ。それを悟ったように、草木の番人は言う。
草木の番人
会長を怒らしたら、本当にあの人、怖いから。
めんどくさい事も嫌いだし。
あなた

えぇと、とりあえず、行ってみます。どこで待てばいいですか?

草木の番人
玄関先の花のアーチで待ち伏せしとけば?
確実に会うと思う。
私は「分かりました、ありがとうございます。」とお辞儀をすると、草木の番人に別れを付けたし、植物園のドアを押した。

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