第98話

浮かぶ顔 と アンカー.
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2018/05/04 02:11
(レオと、なんか、雰囲気似てるなぁ…)


ふとレオの顔が浮かぶ。
ぼんやりとじゃなく、くっきりと。
銀髪
…あっそ。
銀髪の彼からの少し素っ気ないような答えで話が終わる。

私は改めて黒板に向き直ると、学級委員が種目での立候補を聞き始めるところだった。


(100m走に、50mハードル走…団結して競う種目もあるのか…)


私の目に大縄跳びやら、対抗リレーなどの字が目に入る。


(パン食い競走とかもあるんだ…)


ぼーっと考えていると、何故か私の名前を呼ぶ声がクラスに響いた。
学級委員
…、ナギカワ、ナギカワっ。
あなた

え、あっ、はいっ。

学級委員
あの…クラス対抗リレーのさ、アンカーやってくれるかな?
あなた

…へ?

学級委員
本当は走りの早い人に任せるのが普通なんだけど、
あなた

えっと…

学級委員
ちょっと、ナギカワにやって欲しいなぁーって。
あなた

あの、その…

クラス中の視線が一気に私に集まる。
心臓がバクバクと荒く鳴っているのが分かった。


(こんな時に言うのもあれなんだけど…)


ふと、反対側の席を見ると、シャーロがにこにこ笑っているのが見えた。
口パクで「頑張れ」と言っているのが見える。


(よし、言おう…)
あなた

あ、えっと、その…まず、アンカーってなんですか…?(笑笑)

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