(レオと、なんか、雰囲気似てるなぁ…)
ふとレオの顔が浮かぶ。
ぼんやりとじゃなく、くっきりと。
銀髪の彼からの少し素っ気ないような答えで話が終わる。
私は改めて黒板に向き直ると、学級委員が種目での立候補を聞き始めるところだった。
(100m走に、50mハードル走…団結して競う種目もあるのか…)
私の目に大縄跳びやら、対抗リレーなどの字が目に入る。
(パン食い競走とかもあるんだ…)
ぼーっと考えていると、何故か私の名前を呼ぶ声がクラスに響いた。
クラス中の視線が一気に私に集まる。
心臓がバクバクと荒く鳴っているのが分かった。
(こんな時に言うのもあれなんだけど…)
ふと、反対側の席を見ると、シャーロがにこにこ笑っているのが見えた。
口パクで「頑張れ」と言っているのが見える。
(よし、言おう…)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。