第3話

黒いスーツ と 笑顔.
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2018/01/14 00:05
即座に振り返ると、黒いスーツを着た男の人が立っていた。

『ニコリ』

そう、笑っていた。
あなた

あの…誰ですか?

あぁ、すみません。えらく一生懸命にあなたが進んでいたもので、お声をかけづらくて。
「あぁ、」と私が返す。

(待って、いつから居たんだろう…)
駅からですよ…あなたが、
私が考えていた事を悟ったように答え、
1歩、また1歩とズッと近づいてくる。
その男の人が上から私を見下ろし、また笑う。
駅を降りた時から。
あなた

っ…(ゾクッ)

声が出なかった。
その瞬間、息が止まる。

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