第20話

茶色い髪 と ルビー.
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2018/01/14 11:27
黒いパーカーの男の人は私と目を合わすこともせずに、すぐに後ろを向いてしまった。
その様子を見て、にっこり笑って近づいて来たのは、手前にいる制服をきちんと着こなしている男の人だった。
あなた

こ、こんにちは!ナギカワ あなたです!今日からここの学校でお世話になる事になります、よろしくお願いします!

私は頭を同時に下げる。
すると、生徒会長らしいオーラを漂わせた彼は、ゆっくりと手を差し出してくる。
僕はベルナルド、ここの生徒会役員です。新しい生活は大変だと思うけど、頑張ってください。
あなた

はい!

私はベルナルドの手を少し戸惑いながらも握手した。
ベルナルドの顔を見上げ、できる限りの笑顔を見せた。
ベルナルドの茶色い髪から、ふわりといい匂いがした。それは駅で香っていた、花の匂い。
ベルナルドの少し赤い目はまるでルビーのようで、でも、なんだか…なんだか…奥が一瞬濁って見えたような気がした。

(緊張する…!!か、顔、引きつってないかな(汗)。生徒会長って……かっこいいなぁ…)

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