第29話

コンクリートの塀 と 左耳.
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2018/01/14 16:10
エドワード
そりゃ、デザートにだって何かを食べた方が更に美味しさが増すだろうし、お風呂に入った方が身体からいい匂いがしてそそられるじゃないか。
「なんと言っても、」と、エドワードが続ける。
エドワード
衛生的にとってもいいじゃないか。
相変わらず迫るのをやめないエドワードが私をとうとう壁まで追い詰めた。
右に逃げようとすると、エドワードの左腕がそれを遮った。
一気に私の左耳に顔を近づけ、私の自由を奪った。

私の左耳をかぷりと噛み付くと、ぽたぽたと血が垂れる。それをぺろりと舐められた所で、私は彼の目を見た。
それは…校長先生の時みたいな紅い目だった。
エドワード
ん〜、やっぱりいい香り。誰に襲われかければ、こんなに熟成された美味しいものができるんだい?

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