第30話

デオデットの意味 と ヴァンパイア.
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2018/01/14 16:14
あなた

や、めて、痛い…離…れて。

エドワード
聖水の清めがないって本当に素晴らしいね。本当なら触れることなんて出来ないのに。
学校を囲う塀なだけあって、コンクリートの冷たさがひやりと伝わってくる。
それと同時に左耳にはヒリヒリするものがある。

ふと、思い出したように、エドワードは顔を上げた。すると、私の頬に手を当てると、今日の通りニッコリ微笑む。
エドワード
デオデットの略称はね…demon of the dessert(デーモン オブ ザ デザート)って言ってね、
再度、エドワードが私の左耳に口元を近づける。
エドワード
魔物のデザート、って言うんだよ?
「はぁ」っと、大きく息を吸い込むエドワード。
私は耳を噛まれてからか、力が思うように入らない。
ただでさえ、こんな体なのに、声なんかも出るはずもなく、ただひたすらに感情よりも涙が流れている状態だった。


私はこの魔物を知っている。
昔、
よく童話で見た、


『ヴァンパイア』


というやつだ。

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