そう言い終えると、レオは手の力を抜いた。
私は何も言えなくて、ただ悔しいとしか感じれなかった。
レオが私からすぐに離れると、私に背を向け、腕で顔を隠す。
…はっ、そんなの無理だよ
私の口から、嫌な言葉が雪崩のように飛び出す。
だって、レオは魔物じゃん。そんなの、人より何倍も力強いに決まってんじゃん。私が逃げれるわけないよ。
私の手を握りしめ、それを見つめるように下を向いていた。
…別に私がいいならいいじゃん。私だって、普通に過ごしたいの!みんながいう、"普通"に!
言っていることも、レオの事とは関係なく、それていることも分かっていた。
けれど、自分を肯定しようとする気持ちが止まらなかった。
…人間の力と仮定して、もう一度やってよ。そしたらさ、
人間の力でもう1回やってどうなるんだよ。相手は魔物だから、そんなことしたって意味があるとは思えないけど。
私の胸に突き刺さるように感じた。
物理的には何も刺さっていない。
レオの言っていることは正論だ。
だからこそ、その言葉は、間違っていると分かっている私にひどく突き刺さった。
その瞬間、私は開き直るように荒ぶり始める。
分かった…もういい。レオがなんと言おうと、自分の身は自分で守るし、それを校長先生に言いに行くから。そしたら、文句ないでしょ?
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