(確かに、知りたい…)
初めて会った時に握手をした時もそうだ。
私の今までの記憶をよんだみたいだし、寿命が後、1年2ヶ月って事も分かってた。
そろそろ知りたい、ベルナルドさんが何者なのか…
(死神…?!)
私は固まってしまう。
そうか、だから、寿命がよめたんだ。
ベルナルドが少し驚いて、「いやいや、」とこたえた。
ベルナルドによると、どうやら他に居るらしい。
私はふと、先程の魔物が言っていた、『悪魔』という言葉が気になった。
もしかして、本当に…
私はそう返ってくるとはどこかで分かっていた。
そのはずなのに、なぜか、衝撃を受ける。
でも、それは小さい頃に『悪魔はどの魔物よりも強くて、残酷だ』って本で読んだから、って言うのもあるからだと思う。
私が不安そうに質問するのを見て、静かに1度目を閉じたベルナルドはゆっくり口を開く。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!