第33話

満月の夜に男が来た理由.
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2018/02/10 12:45
※エドワードの回想シーン


『ドサッ…』

倒れた瞬間、男がエドワードの腕を引っ張り、
結局腕の中に落ちていったのを支えたのは、エドワードだった。
エドワード
会長…、腕バキバキにしといて、急に腕引っ張って、支えさせるって、酷いですよ。
エドワードは倒れた少女を抱えながら、口を尖らせた。
手を洗った後のように、ぱっぱっと軽く手を振ってしまうと、抱えていた少女をそっと壁にもたれさせる。
お前が悪い。それが嫌なら今度からやめるんだな。
エドワード
でも、会長だって、デオデットちゃんの血、飲みたくないですか?てか、飲みたかったでしょう?
そのエドワードの少し悪質な質問に、男は鼻で笑った。
さぁな、まぁ、飲みたいんじゃないの?
エドワード
なら、いいじゃないですか。(笑笑)
その言葉に、男は赤く透き通るような目でエドワードを睨みつけた。
「あのなぁ…」と、言いかけたところで思い出すようにいう。
…あ、お前がそいつをおぶって、生徒会の別荘まで運べ。
エドワード
え、嫌ですよ!重いじゃないですか!
いいからやれ。いいな。今回の罰だ。
満月の光が男2人を照らしている。
エドワードにはなぜ自分が、デザートを背中に背負っているのか理解出来なかった。
そして、なぜ、会長が来たのかも、深い理由がある気がして、ならなかった。

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