※エドワードの回想シーン
『ドサッ…』
倒れた瞬間、男がエドワードの腕を引っ張り、
結局腕の中に落ちていったのを支えたのは、エドワードだった。
エドワードは倒れた少女を抱えながら、口を尖らせた。
手を洗った後のように、ぱっぱっと軽く手を振ってしまうと、抱えていた少女をそっと壁にもたれさせる。
そのエドワードの少し悪質な質問に、男は鼻で笑った。
その言葉に、男は赤く透き通るような目でエドワードを睨みつけた。
「あのなぁ…」と、言いかけたところで思い出すようにいう。
満月の光が男2人を照らしている。
エドワードにはなぜ自分が、デザートを背中に背負っているのか理解出来なかった。
そして、なぜ、会長が来たのかも、深い理由がある気がして、ならなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。