第80話

手段 と 絶体絶命.
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2018/03/25 14:12
すぐに魔物に背を向け、走り始める。
さっき通った道を戻るように辿った。

((やばい…さっきまで、叫んでて…喉が…息がしにくい…っ、))

私はできる限り大きく呼吸をするように試みる。
あなた

はぁ、はぁ、はぁ…

と、足元の木の根に気づけなかった私は、まんまとつまづき、体勢を崩す。
あなた

うっ、…あ!

山道が下る方へと転げ落ちる。
それは惜しくも知らない道の方で、真っ暗な森の中。
腕や足、もちろん胴体に制服の上からでも、木の枝などが軽く刺さるような痛みが転げ落ちると共に私を襲う。

起き上がろうとする頃には、擦り傷は切り傷で私の体はぼろぼろになっていた。

((早くしなきゃ、))
あなた

早く、しな、きゃ、

魔物
『早くしなきゃ』?♪
振り返ると既に魔物が私の後ろに立っていた。
あなた

…っ、

((やっぱり、速い!))

レオの言葉が私の頭に蘇る。

『人間の力でもう1回やってどうなるんだよ。相手は魔物だから、そんなことしたって意味があるとは思えないけど。』

そうだ、人間とは全く違う。
大体、私が証明するって、どうやって?
手段なんて最初から無かったじゃない。
魔物
もぉ〜、逃げないでよ〜、♪
ヘラり、ヘラり…そんな風に歩み寄る魔物。
私は這い蹲うように進んでいく。
さっきの転げ落ちた時のせいで腰を痛めた。
多分、もう走れない。

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