何日かたったある日。
『ねぇ、どうして私のこと避けてるの?』
結は違和感を感じた。
友達が私を若干無視しているような感じがする…
「舞香に、どっか引っ越せって言ったでしょ?だから…ちょっと避けてた。」
『うん…でもちゃんとごめんって謝って仲直りしたから…』
『それに、本気であんなこと言ったわけじゃないし…ついカッとなって…本当は引っ越さないでほしい。』
結は続けて言う。
「そっか…それならいいんだけど…」
謝ったよって伝えただけで信頼が戻ってくるはずもなく、全員に謝って仲直り出来たよなんて言えばしつこいに決まってる。
どうして誰も私のこと聞いてくれなかったの?本当のこと聞かせて?とかでも良かったんだよ?どうして仲のいい人の意見だけを尊重して私の意見を聞かないの?聞いても無駄だったの? どうして… どうして…?
結はこの後ずっと信頼が無いまま中学に行かなければならなかった…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!