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そして、入れ替わり生活終わりの3月17日。
試験が終わって寮の部屋に戻ってきた。
『んー、疲れた!!』
「ね。俺もう動けないわ。」
ベッドにだらーんと横たわると隣を指差した。
...あ、隣にきてってことかな。
『失礼します』
「なにそれ。笑」
いつも通り緩い空気に感じるけど今日で離れてしまう寂しさがあって2人して溜息。
「もっと一緒に居たいけど、彼氏としてこんな所に置いておくわけにはいかないんだよね。」
『うん、』
よほど大事にしてくれてるのか、試験だったからか、
ハグもキスもあの日からは一切なくて余計に寂しく感じている。
『裕太君、』
「ん?」
『ちょっとだけでいいからイチャイチャしたいなーとか思ったりしてて...あの、どうします?』
ただ『イチャイチャしたい』って言うのにテンパって日本語がおかしくなった。
...引かれてないかな!?
「おねだり?笑」
『だって、寂しいし。』
「んふ。しゃーなしね。目瞑って。」
頷くと目を瞑り、どんどん裕太君の顔が近付く気配がして唇が触れる瞬間。
涼「たーまー?」
『ひいいいいっ!!お兄ちゃん!!』
「ねえ、なんなの、せっかくイチャイチャしてたのに。邪魔。」
ラスボス兄と、超不機嫌裕太君。
...あーあ、修羅場(白目)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。