第20話

chapter18 マサイの夢
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2018/01/24 12:09
あなた「マサイ、今日出かけない?」
マサイ「えっ!?ああ、いいぜ!」
いきなりのあなたからの誘いに正直戸惑った。
マサイ「何処行く?」
あなた「あのね、新しいカメラを買ったから、何処か綺麗なところを撮ってみたくて!」
マサイ「そういう事か!じゃあ海とか行くか?」
あなた「うんっ!」
俺達は家から車で1時間と少しぐらいの所にある海岸に行くことにした。
あなた「お待たせ!」
マサイ「おう!…よく似合ってるな、ワンピース。」
あなた「ほ、本当?嬉しい、ありがとう!///」
あなたはセミロングのダークブラウンの髪を緩くまとめ、白色のワンピースに茶色のパンプスを合わせていた。
可愛い。素直に出てきたのはその言葉だった。
マサイ「じゃ、出発!」
あなた「おーっ!」

運転し始めて、40分程。
マサイ「そういや、昼飯はどうする?」
あなた「お弁当、作ってきたんだ!お口に合うといいな…」
あなたが俺だけの為に弁当を。そう思っただけで凄く嬉しくなった。弁当の時間が楽しみだ!

あなた「わぁぁっ……!」
マサイ「着いたな!」
波がさざめく夏の昼に、あなたのワンピースが揺れる。
カシャッ。
あなた「えっ、ちょっとっ!?///」
マサイ「何となく、今だと思ってな!(笑)」
あなた「もう…(笑)」
あなたの横顔は美しかった。
マサイ「なっ、あなた!弁当食いてぇな!」
あなた「うん!勿論!」
あなたは手早く砂浜にシートをひき、その上にバケットから美味しそうなサンドイッチを出した。
マサイ「うお、美味そう!」
あなた「召し上がれ!」
パクッとかぶりつくと、トマトとレタスの新鮮な食感。これって、もしかして……
マサイ「もしかして、チーズ抜いてくれた?」
あなた「う、うん!苦手だったよね?」
マサイ「ああ!助かるわー!」
気も利くし、料理上手いし、ほんとに非の打ち所が無いと思う。


俺らは日が暮れる迄色んな写真を撮りまくった。
マサイ「自然も綺麗だと思う。でもやっぱり、写真を撮っていて一番楽しいし、綺麗だと思うのはFischer'sのメンバーだと思う。」
あなた「マサイ……」
大自然なんかより、俺はメンバーを選ぶ。
マサイ「帰るか!メンバーの所へ。」
あなた「うんっ、そうだね!」
俺が車に向かって歩き出した頃、急にあなたの足音が止まった。
あなた「ねえ、マサイ!」
マサイ「ん?なんだ?」
俺がゆっくり振り返ると。
あなた「私ね、マサイの事が好き!」
マサイ「……!」
夕焼けに染まるあなたの顔。
カシャッ。
あなた「あっ、撮ったでしょ!」
マサイ「あなた、俺も好きだ!」
確認したフィルムのあなたは、誰よりも素敵な笑顔で笑っていた。


マサイ「ふぁぁ……」
目を開けると、天井。そうか、夢か……
カメラメモリを確認しても、当然写真なんか無いけれど。

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