第11話

我慢の限界 ※テオside
2,035
2018/01/24 12:01
じん
おじゃまします…うわ、広いね
テオ
え、そーかな?w
夜。
藤枝が初めてうちに来た。

俺の親は結構金持ちだったらしくて、この広い家だけを残していなくなった。

だから無駄にでかい家に親戚と俺で住んでる。
テオ
適当に座ってて?
じん
あ、うん…
テオ
あっははww
何緊張してんだよww
じん
あ、俺緊張してるように見える?
そう言ってさっきまでしかめてた顔を無理矢理真顔に戻し言う藤枝。
わかりやすいな〜、可愛い。
テオ
みえみえだわ!
じん
バレてたか〜
藤枝は楽しそうに笑った。

最近は前と比べたらすごい笑ってくれるようになって、実はめっちゃ嬉しい。

少し俺のこと認めてくれたのかな?なんて思ったりして…ひとり喜んでた。
そういえば、今日藤枝の家で俺に一つ言いたいことがあるって言われた。

でも聞かなかった。なんか聞きたくなかった。

何を言われるかがわからなくて、怖かった。
だからトイレに逃げ込んじゃった。
弱いな、俺。
じん
寺島くん?ぼーっとしてどうした?
テオ
え?あ、大丈夫!!
じん
ん、ならいいけど
そしたら、藤枝は安心した笑顔を見せた。
むり。可愛すぎる。
テオ
ごめん!
俺ちょっとコンビニ行ってくるわ!!
じん
え?あ、うん
いってらっしゃーい
このままだと理性が保たないと思い、俺は慌てて外に出た。
テオ
もうなんだよ、可愛すぎるって…
外でひとり呟いた。

藤枝は俺が可愛さに悩まされてることなんて知らないんだろうな。
数分後、心が落ち着き家に戻った。
テオ
ただい…ん?
藤枝に何か察されないように、何事もなかったかのように明るくただいまを言って入ろうと思った。

じん
くっ…ぁ、ん
扉に耳をつける。
その声は、紛れもなく藤枝のものだった。

しかも…ひとりでシているかのような声。
頑張って我慢して、あんまり声を出さないようにしてるのかわからないけど…

丸聞こえだよ。藤枝。
やっと落ち着いた気持ちが、また出てきた。
俺は迷いもなく扉を開けた。
じん
ぇ…寺島、くん?
驚きと恥ずかしさでこわれてしまいそうな藤枝の顔を見て、俺は我慢の限界だった。
ねえ藤枝、


今だけだから



俺だけのものにしてもいいよね?

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