第47話

第46話
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2021/07/03 08:00
ようやく馴染んで来たスーツに、磨き上げた革靴。
今の俺を見たら。きっと彼女は言ってくれるはずだ。
『随分、大人っぽくなったね』と。
蓮斗
(...もう、6年か)
第一志望の大学を卒業した俺は、今年で社会人2年目。
蓮斗
(今日は...昼休み前に会議あったっけな)
同じ大学から就職して来た後輩や、気の合う同期。
上司の人柄にも恵まれて、充実した日々を送って居る。
蓮斗
(うわっ、また乗り込んで来た...!)
都心に向かう電車の混雑には、未だに慣れないけど。
蓮斗
(暑っついな.....梅雨抜けたからか...)
改札を抜ければ、オフィスビルが立ち並んで居て。
その中でも目立つ高いビルが、俺の職場だ。
受付
おはようございます!
蓮斗
....ニコッ...おはようございます
受付の女性社員に挨拶をして、エレベーターに乗り込む。
受付
...和泉くんって格好良く無い?
受付
全体的に整ってるよね!...彼女とか居るのかなぁ
後ろで何か言っていたが、俺には関係の無い話だろう。
社員
おはようございます!
蓮斗
あ、おはようございます。
すれ違う顔見知りの人と、にこやかに挨拶を交わしつつ。
蓮斗
(書類チェック溜まってるな...)
自分のデスクに座り、仕事を始めようとパソコンを開くと。
何か重い物が背中に乗しかかって来て。
悠佑
蓮斗、はよっ!
誰なのかは振り返らなくても分かった。
蓮斗
........高田。お前、仕事溜めてただろ…w
同期で特に親しくして居る、高田悠佑。
作業スピードが遅めで、手伝う事も多いが。
悠佑
...身に覚えが無いなー
それより!今日、飲み行ける?
この明るい性格で、自然と人が集まるから、少し羨ましい。
.....彼女も、そうだったから。
蓮斗
行けるけど。仕事を終わらせたらな
人に会う度、結唯と似ている所を探してしまう。
悠佑
間に合わなかったら手伝ってくれ...頼む!
蓮斗
お前な...分かったよw
過去を引きずり過ぎだと言う事は、
痛いほど分かって居るけれど。
悠佑
さっすがー、その代わり奢るからさ!
蓮斗
調子いいよな...ww
奢ってくれるって言うなら奢られとくわw
変われないのだから、仕方ない。
悠佑
じゃあ、また後でな!!
とても同い年とは思えない無邪気さを残し。
席に戻って行った悠佑を見送った後。
蓮斗
(.......元気だな.....ww)
蓮斗
(よし。俺もやりますか)
今度こそ仕事を進める為、キーボードに手を置いた所で。
和泉先輩、おはよーございます!
...またしても遮られてしまった。
蓮斗
(今度は蒼か.....w)
おはよう。何かあった?
同性から見ても分かる顔の良さと可愛さで
先輩達から人気の後輩。
同じ大学のOBだと言う事がキッカケで
話すようになったのだが。
四六時中、笑って居て。感情が読み取れない事がほとんど。
今日って仕事の後、付き合って貰えますか?
そんな謎も多い後輩からの誘いに、正直。
蓮斗
あぁ...高田と約束してるけど、聞いて見るよ
ありがとうございます!
聞きたくない事を聞かれる、嫌な予感がした。

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