第27話

第26話
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2020/03/23 03:04
療法士
.......結唯ちゃん、何かあった?
リハビリを始める為、靴を履き替えている私。
療法士さんの言葉に、顔を上げる。
結唯
え?どうしてですか?
療法士
いや。勘違いだったらごめんね。
さっきよりほっぺが赤いような気がしてさ
結唯
.................(見抜かれてる!?)
そ、そんな事を無いですよ笑
最初から心当たりがあり過ぎる所を突かれ、
少し不自然な間を作ってしまったけれど。
療法士
.........そう?じゃあ、始めよっか
それ以上は聞かず、スルーしてくれた。
結唯
はい、お願いします!
でも、これはこれだ。
頭からさっきの出来事を追い払い、リハビリに集中する。
療法士
ーで、ここを良く伸ばす。
結唯
(あ、ちょっと痛い...!)
こうですか?
相変わらず、身体は思うように動かなくて。
療法士
そうそう。
そのまま10秒キープね
結唯
(10秒...長いよ!!)
分かりました...
ひたすら、耐える。
療法士
2、1、0...はい、おっけー!
ゆっくり体勢戻してね
凄く長く感じた10秒が終わって。
療法士
終了時間も近づいて来たし、
ストレッチ始めよう。まずは見ててね
療法士さんの見本を見ながら、
見よう見まねでストレッチをする。
結唯
(こう、かな...意外に難しいや)
療法士
そうそう!結唯ちゃん上手い!
結唯
ありがとうございます笑
笑顔でお礼を言って、
横に延びるストレッチをした時。
結唯
(あ、あれ.......?...気のせいか)
少しだけ景色がグラついた気がしたが、
疲れが出ていただけと、放置してしまった。
この時に、療法士さんに申し出て。
診察室に連れて行って貰っていたら。
結唯
(なんか...達成感ある.....!)
"あんな事"にはならなかったかも知れないのに。
療法士
じゃ!今日の分のスケジュールは終わり!
病室戻ったら、ゆっくり身体を休めてね。
疲れは極力、残さない方が良いから
結唯
分かりました!ありがとうございました
最後に注意を聞いて、また病室へと引き返す。
結唯
.................っ、まただ.....
景色が一瞬だけ、歪んで。
車椅子を止める。
しばらく止まって休んでいると、次第に治まって。
結唯
(...今日、いつも以上にハードだったからな)
疲れが出ただけだと、自分を納得させてしまった私は。
診察を受ける機会を、みすみす逃した。
結唯
...よし。早く戻って、少し寝よう。
夜ご飯の時間まで、1時間くらいあるし。
とりあえず休むのが1番だと、車椅子を降りて。
ベットに潜り込む。
やはり疲れて居たのか、すぐに眠気に包まれて。 
結唯
おやすみなさい.....
深い眠りに、落ちて行った。

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