第50話

最終話 蓮斗side
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2021/07/03 08:02
言葉が見つからないのだろう。
死ん、だって.....それ.....
浮かれた話をするはずの場。
蓮斗
これが、俺の恋愛しない理由。
.....好きだったんだよ、幼馴染の事。
蓮斗
忘れ、られないんだよ
漂うのは、後味の悪い雰囲気だけ。
掠れた自分の声を隠す事も忘れ、呟き続ける。
蓮斗
この先...他の人を好きになれる気がしない
寒い時、目だけをこっちに向ける仕草。
俺の名前を呼ぶ時の楽しそうな笑顔。
辛い時、迷い無く抱き締めてくれた温もり。
手は暖かいのに、指先だけ冷たかったデートの日。
.............無理矢理、すみませんでした
悠佑
ごめん、お前の気も知らないで...
細いのに、実は武道も出来る格好良い所。
甘い匂いがする所。
寂しい時、隣に居てくれる優しさ。
考え事をしている時、口元がふにゃっとなる癖。
何かあると、1番に俺を頼ってくれる事。
『ほんと、泣き虫だね笑』
蓮斗
(.....あぁ、そうだよ)
目を瞑って耳を澄ませば、まだ声が聞こえる気がして。
蓮斗
いや。俺こそ、ごめんな。
全部、全部全部全部。
蓮斗
今日は、帰る
好きで好きで、大好きだったから。
まだ、過去形に出来ない部分があって。
悠佑
ちょっ、蓮斗...!
蓮斗
高田、ごめん。
蒼もお疲れ。また明日
逃げるように立ち上がり、
机に3人分払えるだけのお金を置いた。
先輩.........!
2人の制止には耳を貸さず居酒屋を出て、
騒がしい繁華街を歩く。
『人って、2回死ぬんだよ』
ふと思い出したのは。
生前の彼女が教えてくれた、こんな話。
蓮斗
え.........?
不思議がる俺に、彼女は続ける。
『1回目は身体を失っちゃった時。
2回目は、誰からも忘れられてしまった時。
だから...だからね』
『蓮斗さえ私を覚えて居てくれれば。私は死なない』
蓮斗
...............
いまいち納得行かなかった、あの頃。
蓮斗
(でも、今なら分かる)
彼女の遺した言葉や話は、時を経て。
俺に届いて居る。
蓮斗
覚えて居れば........か
今、全てが理解できなくても良いのかも知れない。
俺は、心の底から幸せだったんだと思った。
結唯が幸せだからとかじゃ無く。自分自身が。
蓮斗
(この気持ちだけ抱いて.......消えたい)
このまま死んでも良いかも、とか。
誰にも言えない戯言が、生温い空気に溶ける。
蓮斗
(幸せが...永遠に続けば良いのに)
誰かに後ろ指を指されるような人生だって。
結唯が居れば十分だった。
蓮斗
.......俺、今...困ってるよ
助けて欲しくて名前を呼んでも。
引っ張り上げてくれる幼馴染は居ないと。
改めて突き付けられた、24歳の夏だった。
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作者
作者
こんにちは、こんばんは。作者です!
作者
作者
前話では、お知らせに対する暖かいコメント、
ありがとうございました!
とってもとっても嬉しかったです。
作者
作者
改めて、読者様に恵まれて居る事を
実感しました笑
作者
作者
さて、このお話も早い物で。
次回が最終話の予定です。
作者
作者
エピローグは視点ナシでお送りします。
作者
作者
お楽しみに!!

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