第32話

第31話
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2021/07/03 07:44
さあ、始めよう。
ー偽りだらけのシナリオを。
結唯
ちょ、蓮斗。何泣いてるの笑
蓮斗
泣いてねえよ!ただ、心配したと言うか...!
結唯
いつもの症状出て、倒れちゃっただけだから笑
先生も大袈裟に伝えるから...ありがとね
.........嘘。
蓮斗
ー...なら、良いけど。
マジで、今度こそ心臓止まると
思ったんだからな?
『いつも通り』なんて、嘘。
結唯
え、先に心臓止まっちゃダメだよ?
何言ってるの笑
蓮斗
.....お前こそ。死ぬには早いんだからな
彼を、蓮斗を心配させない為に。
結唯
はいはい。分かってますよー笑
蓮斗
ホントに分かってんのかよ.....
結唯
(って、ただの言い訳か)
優しさだって、言い張って。結局、全部自分の為で。
結唯
(単純に、言うのが怖い)
蓮斗
今度は良い知らせで俺に連絡くれよな?w
.........ごめんね。
結唯
任せといて笑
それは、約束出来そうに無い。
結唯
(会話してるので精一杯なんて...情けないな)
今だって、頑張って隠しているけど。
いつまで持つか分からない。
蓮斗
とりあえず、最近お前頑張り過ぎだから。
身体、疲れてるんだよ。
...ちゃんと、休めよ?
結唯
ありがとう。優しいね、蓮斗は笑
蓮斗
なっ/////.....何だよ、珍しいな
私が蓮斗にどれだけ救われたか。
きっと彼は知らないから。
結唯
んー?たまには...
素直になって見るのも良いかなって笑
.......そうだ。手紙を書こう。
結唯
(ちょっと、らしく無い気もするけど.....)
何で残すより、1番。
1番、想いが伝わるような気がしたから。
結唯
(それに.....次、蓮斗が来た時は、もう...)
辛うじて手紙を書く力が、残っている内に。
結唯
ねぇ、蓮斗?
蓮斗
.......ん?
結唯
私、頑張るからさ。見ててよ
最期の最期まで。
神様までもが驚く位に。
蓮斗
.........あぁ。見てるよ、全部。
輝いてやる。
蓮斗
_そろそろ面会時間、終わるから帰る。
怒られたくないしw
結唯
そだね。私も蓮斗が怒られるのは嫌だなぁ
何万回交わしたか分からない、バイバイ、またね。
きっと、今回が。
ちゃんと出来る、最後。
結唯
(病気になるまでは...
明日も会えるのが、当たり前だった)
世の中に当たり前の事なんて無くて。
私達が出会えたのも、かけがえのない奇跡だったのに。
結唯
(惜しくなって来た。今までの日々が)
.......だからもう。『またね』は言わない。
結唯
バイバイ、蓮斗。
彼は、違和感を感じただろうか。
蓮斗
...........?...ん。またな
見える表情からは、伺えないけれど。
笑顔で、送り出した。

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