気は乗らないが。
先入観だけで人を判断しては行けないから。
朝の件を高田に伝えると、あっさりOKしてくれた。
..............と言う訳で。
珍しく定時に間に合った高田と、珍しいメンバーを加え。
会社から10分程の、居酒屋に来ているのだが。
何となく、蒼は浮いて居る。
この騒がしい空間と、
蒼のフワフワとした雰囲気が何ともミスマッチだった。
そして、不安要素が。
居酒屋の事を知らなそうな後輩。
何とか中ジョッキ位は知っていたようだが。
他は予想通りだった。
ダラダラと絡む2人を放って、店員を呼ぶ。
注文を終えると、蒼が口を開いて。
ここに来た目的を話すんだなと察した。
場の空気が、変わる。
いつかは触れられると思って居た事。
困ったようにアタフタする同僚を目で黙らせてから。
素朴な疑問に苦笑を零す。
悠佑の気遣いが、ありがたかった。
だからこそ、2人には話すべきなのかも知れない。
俺の、昔話を。
彼女の話を誰かにするのは、久々で。
もう既に泣きそうだけど。
コイツらに話しても良いよなと心の中の結唯に呼び掛けて。
ゆっくりと、話し出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。