2人で横並びして歩いても余裕のある廊下には
金と藍で構成されたカーペットが敷かれ 、
壁にはブラケットシャンデリアが均等につけられ
廊下を明るく照らしていた。
少女は高級感漂う廊下を男と手を繋ぎ歩いた 。
高級ホテルみたいだけど … ここは何処でしょう ?
少女が男に手を引かれ物珍しそうに
辺りを見渡しながら廊下を歩いていると
気付けば男は左手で大きな扉を開けていた。
開いた先には長い机と椅子が置かれ 、
美味しそうな匂いが部屋中に広がってる。
いい匂い … もしかしてこれが噂の朝ご飯の匂い ?
『 おはようございます 。 お父様 』
男は少女の手を繋いだまま長い机の先で
静かに座る若い男の近くに行くと挨拶をした 。
お父様 !? この男の人の ? お … お若い … !
『 おはようノア 。 ティナもおはよう 』
男と手を繋ぎ 、 不思議そうに自分を見る少女に
優しく笑みを見せながら挨拶をした 。
『 おはようございます 』
この人はノアと言う名前なんですね 。
ノアさんとお父様は顔も似てるし髪色も一緒 …
綺麗な緑色の目もそっくり 。 美男親子ですね 。
『 ティナ良かったね 、 コンポタージュがあるよ 』
コンポタージュ !
こんな場所で飲むのはとても美味しそう 。
『 はい ! とっても嬉しいです 』
ノアの父の近くの席に座ると男は少女の前に座る 。
おぉ … ! サラダにパンにコンポタージュ 。
お洒落な朝ご飯だ ! お姫様になったみたい 。
少女はコンポタージュをスプーンで掬うと
嬉しそうに口に入れ味わう 。
『 美味しい 〜 ♡ 』
今の所ずっと幸せ … 転生先の生活も悪くないかも …
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!