あーあ 、 あのおカッパ幼女も
「 ボーっと生きてんじゃねーよ ! 」
って言ってたのにな … 。
『 どうしよう … 』
少女は鏡の前で自分の姿を見ながら溜め息混じりに言った 。
銀髪 ? よりは金髪 ?
瞬きを何度しても 、
“ 黒髪で普通顔をした17歳女子高生 ” は
鏡に映っていないことだけが分かります 。
6 〜 7歳位の銀の様な 、 金の様な綺麗な髪色をした
“ 美少女 ” に私は転生したようです 。
17年間生きた記憶はあるので 、
若返った上に美しくなってちょっと嬉しいかも?
少女が鏡の前で頬を抓りながら自分を見ていると 、
扉をノックする音が聞こえ
一人の男がニヤけた顔で部屋に入ってくる 。
『 おはよう 、 愛しの妹ティナ ♡ 』
11〜12歳位で少女と同じ髪色をした男は 、
少女の姿を見ると嬉しそうに抱き着き 、
少女の頭を大切そうに撫でた 。
ティナ ? この子の名前はティナなのかな ?
『 おはようございます 』
挨拶返してみたけど … この人はどちら様 ?
髪色は一緒だしお兄さん ? 親戚の方 ?
それにしても … いい匂い 。
『 癖になりそう … 』
少女は男の胸元に頬を擦り寄せ 、
服の匂いを嗅ぐと幸せそうに小さく呟いた 。
『 ん ? どうしたのティナ ? 』
男は小さく何かを言った少女に反応すると 、
優しい声で問いかけた 。
あっ 、 つい漏れてた …
男の人からいい匂いするのって良いな 。
『 いえ 、 いい匂いがしたのでつい言葉が漏れてしまっただけです 』
誰なのか知らないのに匂いを嗅ぐのは失礼だよね 。
『 僕の匂いを嗅いで言葉を漏らすなんて …
ティナは本当に可愛い妹だな 〜 ♡
お腹が空いただろう ? 朝ご飯を食べに行こうか 』
男は少女の言葉を聞くと強く少女を抱き締め 、
少女に目線を合すと右手を差し出した 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!