第2話

One
62
2021/03/12 07:06
あーあ 、 あのおカッパ幼女も


「 ボーっと生きてんじゃねーよ ! 」


って言ってたのにな … 。


『 どうしよう … 』


少女は鏡の前で自分の姿を見ながら溜め息混じりに言った 。


銀髪 ? よりは金髪 ?


瞬きを何度しても 、


“ 黒髪で普通顔をした17歳女子高生 ” は


鏡に映っていないことだけが分かります 。


6 〜 7歳位の銀の様な 、 金の様な綺麗な髪色をした


“ 美少女 ” に私は転生したようです 。


17年間生きた記憶はあるので 、


若返った上に美しくなってちょっと嬉しいかも?


少女が鏡の前で頬をつねりながら自分を見ていると 、


扉をノックする音が聞こえ


一人の男がニヤけた顔で部屋に入ってくる 。


『 おはよう 、 愛しのエンジェルティナ ♡ 』


11〜12歳位で少女と同じ髪色をした男は 、


少女の姿を見ると嬉しそうに抱き着き 、


少女の頭を大切そうに撫でた 。


ティナ ? この子の名前はティナなのかな ?


『 おはようございます 』


挨拶返してみたけど … この人はどちら様 ?


髪色は一緒だしお兄さん ? 親戚の方 ?


それにしても … いい匂い 。


『 癖になりそう … 』


少女は男の胸元に頬を擦り寄せ 、


服の匂いを嗅ぐと幸せそうに小さく呟いた 。


『 ん ? どうしたのティナ ? 』


男は小さく何かを言った少女に反応すると 、


優しい声で問いかけた 。


あっ 、 つい漏れてた …


男の人からいい匂いするのって良いな 。


『 いえ 、 いい匂いがしたのでつい言葉が漏れてしまっただけです 』


誰なのか知らないのに匂いを嗅ぐのは失礼だよね 。


『 僕の匂いを嗅いで言葉を漏らすなんて …
ティナは本当に可愛いエンジェルだな 〜 ♡
お腹が空いただろう ? 朝ご飯を食べに行こうか 』


男は少女の言葉を聞くと強く少女を抱き締め 、


少女に目線を合すと右手を差し出した 。

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