今日は月曜日。
あいつのことはもう忘れることにしましたっ!
今日からまた新しい1週間が始まる。
なんて、幸せなんだろう。
こんな他愛もない会話をして、やっと学校が終
わる。
そして、理沙とは別れる。
そして、いつもの電車に乗ろうとした時、
サッ、
(なんだろう、なんかすごい見覚えのある顔…)
(ま、まさか、き、気のせいだよね?)
今1番思い出したくない顔。気のせいだと思い
込んで即座に目を逸らす。
(や、やっぱり。こ、これは夢?なんで、あいつ
がここに!?)
(自分から聞いといて何よ、その返事。)
そんなことを思っていると、ふと最悪なことが
頭によぎった。
(この電車って…)
(ブ、ブスって!てか、そんなことより!!)
そう、この電車、1時間に一本しかないのだ。8
時25分までに間に合う電車はこれしかない。
(ま、まさか、ね。こんな偶然あるわけないよ
ね。)
(うわっ、嘘だっ!そんなのありえない!毎日顔
合わさなきゃいけないの!?)
人生最大のピンチ到来です。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!