第27話

24話
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2022/12/20 06:20
それから少し弦月さんのお母様とお話をしました。すごく楽しい時間で、弦月さんのお母様は優しい人でした。
お医者様もきて診察もしていました。どこも異常はないようで歩くリハビリとかをしていけば早くて1ヶ月位で退院出来るらしいです。
そんなことをしてればあっという間に日はおちていて少し雨が降ってきました。
弦月母「本当に今日はありがとうねあなたさん。また近いうちに……!次は家に来て?美味しい料理を作って待ってるから。」
『はい…是非…!』
弦月母「それと、藤士郎。……頑張ってくれて、ありがとう。藤士郎は本当に、自慢の息子だよ。」
そう言って弦月さんの頭を撫でていいました。また弦さん泣きそうになってしまってますね…
弦月「それじゃ、僕らは帰るね。」
『リハビリ頑張ってください
お大事に』
病室をでてエレベーターにのりました。弦月さんのお母様本当にすごく綺麗な人でしたね。それも見た目だけじゃなくて所々の仕草とか言動もお綺麗でした
『弦月さん雨が降っていますが帰りのお車は大丈夫そうですか?』
弦月「あ、そうだよね。連絡しなきゃ、って、……晴くんからすごい着信きてる……。」
『なにか…あったのでしょうか…』
弦月「病院内で電話はできないから1回外出て電話かけてみようか。」
エレベーターをおりてまだ車も来てないようだったからテラスの方へ行きました。雨が降ってたから屋根付きのベンチに座って甲斐田さんに折り返しの電話をかけました。

…雨…か……





"雨は…苦手"
"少し…好きにはなれたけど"
ー"誰か"が泣いてるようでー





これ以上強くならないといいですけど…










弦月「…………ど、ういうこと、?」
《____》
弦月「っなんでそんな急に!!!」
《____》
弦月「……っ、景くんっ」

『長尾さん…?』
弦月さんが漏らした声を私は聞き逃しませんでした。長尾さんに何かあったのでしょうか…?
…ぁ…
弦月「どう、しよう……。あなた、景くん、……っいなくなっちゃ、」

弦月「、晴くんが今日昼ご飯呼びに行った時に、ノックしても返事がなくて、……部屋を開けたら、……机の上に手紙しか残って、なくて……それでっ、」
次のテストまで居るって…約束したのですがね…
『…取り敢えず帰りましょう…!』


弦月「ただいま…!」
『…ただいま帰りました』
あの後すぐに車にのって寮に帰ってきました。車内でも弦月さんはずっと落ち着かないようで不安そうな目をしていました

…せっかくあの子達にあったのですがね…
晴「藤士郎、宵崎さん!!」
リビングには生徒会メンバーがほとんどそろっていました。
弦月「晴くん、景くんは、!」
甲斐田「……電話で伝えた通り…、部屋の中は元から着いていた机しかなくて、その上にこの手紙が。」
紺色の便箋に入っている手紙を甲斐田さんはリビングの机におきました。
それと同時にリビングの扉がまた開きました。
葛葉「学園長に聞いてきた。」
甲斐田「学園長は、…なん、て……?」
叶「甲斐田くん、弦月くん、落ち着いてきいてね、?」


叶「長尾くんは、……大体1週間前に、自ら退学を選んだ。つまり、自主退学した、って。」



弦月「……」
甲斐田「……なん、で……」

お2人は今にでも泣きそうな表情をしていました。そうですよね。昔からずっと3人一緒で、お別れがこんな仕方なんて…。
三枝「……その手紙開けてみた方がいいと思うの俺だけ?」
不破「いんや、俺も開けた方がいいと思う。」
お2人がそう言うと甲斐田さんが震える手で手紙を開けました。
甲斐田「……読むね、」

"こんな形でお別れになってごめん。俺はみんなとは違う道に進むことにした。笑 短い間このメンバーで過ごせてめっちゃ楽しかった。
魔法を使わない俺をここに置いていてくれて、ありがとう"


甲斐田「……って、これ、だけ?」
弦月「はは、景くんらしい、や……っ」

pururururu……
…タイミングは悪いですが…"否定はできませんね"…焔…
『…タイミング…悪いですよ』
焔「まじかごめ。さっき長尾さんと会っ」
『…その話詳しく』
焔「いやタイミング悪いんじゃないのかい。……まあいいや、10分前くらいにあの森の近くで長尾さんと会ったんだけど
いつもと服装違ったし、雨降ってんのに傘さしてなくてさ、なんか気になったからどっか行くんですかー?って聞いたのよ、」
…焔のトーク力…何処かズレてますよね
焔「そしたらなんかあー……ってなってちょっと悩んだ後に、ケジメつけに行くんすよって笑顔で言われて普通に惚れる1歩手前までいったわっていうどうでもいい話」
『…有難うございます焔、いい仕事をしてくれました。また今度なにかお礼しますね』
焔「……?惚れる手前まで行ったのが?」
『…惚れるのはいいと思いますが…また折り返しますね』
ブチッと一方的に電話を切って弦月さんと甲斐田さんの方を見ます。
叶「……宵崎さん、今は不要な電話は控え、」
『…すみませんそれどころじゃないんです』

『長尾さんの居場所がわかりました行きましょう』


「「っは!?!?」」
驚く声を無視してお2人の手を取って寮を出ました。このお2人をとりあえず何がなんでも連れていかなきゃと思ったからです。
…急ぎましょう…

…雨…濡れてしまいましたが…今は…いいや…

森の近くって言ってましたよね。この間長尾さんと会った場所、 とかですかね…でもとりあえずその近くに今長尾さんはいるってことになりますね
弦月「あなたっ、どこ向かって……っ」
『とりあえず今は走ってください!長尾さんがここの学園にいるうちに探し出さないと』
甲斐田「……!景、まだこの学園にいるの!?」
『10分前くらいに合ったと…友人から連絡が』
私的にはこの間前にあったその奥にある崖の場所が怪しいと思ってます。
あの時本当は長尾さん私と会っていなければ崖の方に進む足取りでしたし、なにかしようとしてたんだと思います

『…やはり…此処でしたか』
崖の先で刀を持って立っている長尾さんが目に映ります。
長尾「……よく分かったなここ。」
『長尾さん少しお話を…』
弦月「景くん、今日っ!」
私たちが今日の話をしようとした瞬間、
長尾「話すことはねぇよ。俺はもう退学届けを出した。これ以上俺を苦しめないでくれよ、笑」
そう笑う長尾さんはすごく悲しそうな笑顔で笑っていました。だからそんな笑顔しないでほしいのですが…
"重なって見えるから"


弦月「ちがっ…僕たちは!」
長尾「俺はなんの話しもする気は無い、それに俺がここに来た理由は、」
いつもの優しい長尾さんの口調がいきなり強くなって弦月さん、思わず言葉を止めてしまったのですかね。
長尾「ケジメつけるためなんだ。」
甲斐田「……まさか、」
弦月「ダメだ、!!!」
長尾さんは自分の手に持っていた刀を宙に放り投げました。

刀を捨てる、つまり、長尾さんは魔法扱うための道具を自ら捨ててしまいました

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