第26話

1,910
2019/05/16 12:14
ハナ
ハナ
し・ん・で・?
ハナがナイフを出してきた。

私に向かって一直線に突き出す。

私の頬に赤いのが垂れる。そのすきにハナは腕を切ってきた。

目の前がふらっとぼやける。

そういえば今日、貧血だったな。

そんなことを考えていると、またナイフを突き出す。
あなた

あっぶな。

それをヒョイっと交わす私。

そしてポケットからナイフを取り出す。

足をかけ、みぞおちを殴り、顔に傷を作っていく。

10分間それの繰り返し。
ハナ
ハナ
へー、まだいけるじゃん。
あなた

なめんな。

ハナ
ハナ
そこは褒めるけどさあ、早くしんでよ。
あなた

…………………いやだ。

私がそういった瞬間、ハナの動きは止まった。

澄んだ瞳が私を見つめる。
ハナ
ハナ
……………バンタンか?
あなた

知らない。

ジンsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あなたが行ってから、15分が経とうとしている。

流石にソワソワしてくる。

リビングと玄関はまぁまぁ離れているから、話し声はほとんど聞こえないが……。

たまにドタドタとした音が聞こえるのはなぜだろう。

ホビ
ホビ
ドタドタしてる。
ナム
ナム
な、なにかあったとか?!
テテ
テテ
ドタドタって、怪しい。
グク
グク
行きますか?
ゆんぎ
ゆんぎ
あぁ。
ジン
ジン
行ってみるか。
ジミン
ジミン
はあ、めんど………。
こうして僕たちは玄関へと向かった。

近づくにつれて話し声も聞こえる。
あなた

…………………いやだ。

あなたの声が、はっきりとそう言った。
グク
グク
なんのこと?
僕たちが玄関に行くと、あなたと知らない女の子がいた。

どちらも白い肌に赤い液体が滲んでいる。

グクの声に振り向いた二人は、すぐに手を後ろに隠す。
ジミン
ジミン
なーに持ってんの?
ハナ
ハナ
べつに、なにも?
あなた

うんうん、何もない。

ホビ
ホビ
うん、絶対何かある言い方。
二人は顔を見合わせて、しぶしぶと手を前に出した。







防弾少年団
防弾少年団
え…………………ナイフ?

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