前の続きです。
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その日の夜中、一時くらいに目が覚めてしまった俺は、水を飲みに下へ行った。
階段を降りようとすると、あなたの部屋が明るいのに気づいた。
電気の消し忘れかと思った俺は、少し空いた隙間から部屋を覗いた。
あなたは起きていた。
机の上にいろんなK-POP雑誌を広げながら、小さなノートに何かを書いている。
よく見ると雑誌の開かれているページは、すべて俺らの特集だった。
スマホからは、「hold me tight」が小さく聞こえる。
あなたが考えていたのは、次のライブの衣装だった。
そして衣装が終わると、次はステージのセッティングについて。
ライトの変化やステージの上がり下がりなど、細かく確認している。
俺は不思議でしかたなかった。
いつも夜遅くまで俺らの仕事についてをやってくれている。
毎日あんな酷い言葉とか言っているのに。
テキパキとした仕事をぼーっと見つめていると、かなりの時間が立っていたらしい。
ベッドに腰をかけて、あなたは呟いた。
大きなため息をつくと、少し涙目になりながら横になる。
眠たそうな声でそうゆうと、すぐに寝息が聞こえてきた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。