第14話

第13話
3,751
2020/01/06 09:12
あだ名を決めて、配信の事を話して。
楽しすぎた時間も私の家の前に着くことで
終わりを告げる。
璃夢
璃夢
送ってくれてありがとう
莉玖
莉玖
うん!明日の朝、また迎えに来るから
繋いでいた手を離してお礼を言うと、
彼は笑ってそう言った。
璃夢
璃夢
ええ!?わざわざ来てくれるの?
莉玖
莉玖
俺が来たくて来るんだよ?
璃夢
璃夢
じゃあ...ありがとう、待ってるね
優しすぎて、格好良くて。
自分にはもったいなさすぎる人だと
改めて思う。
莉玖
莉玖
それでよし。じゃあ、また明日
目線を合わせて頭を撫でてくれた手が
離れていく。
璃夢
璃夢
...うん。気をつけてね
もう既に寂しいと思っている自分は、
きっと相当彼が好きだ。
ー.................
藍花
藍花
あだ名を決めた?2人の?
赤峰くん...ではなく、りっくんを見送った私は
帰宅してすぐLINEで藍花にあだ名の事を報告する。
璃夢
璃夢
うん。頑張った...
藍花
藍花
あだ名を決めるのに頑張るって何ww
璃夢
璃夢
だって頑張ったよ?恥ずかしかったし
藍花
藍花
まぁ...確かに璃夢にしては
頑張った方か...
若干胸を抉られる一言。
璃夢
璃夢
璃夢にしては...。しては...
それでもやっぱり気になるものは気になるらしい。
藍花
藍花
ごめんごめんwそれで?あだ名は?
すぐにどういうあだ名にしたのかと聞かれる。
璃夢
璃夢
教えてしんぜよう!えーとね...
藍花
藍花
(しんぜよう...)うんうん
何故か緊張しながら伝え、
璃夢
璃夢
私が呼び捨てで。赤峰くんが、りっくん
藍花
藍花
なるほど、なんて言うかさ
璃夢
璃夢
どう思う!?
いいよね!と言う目で見つめたが、
答えはクールなものだった。
藍花
藍花
...普通?
璃夢
璃夢
そ、そっか...確かに普通だよね、うん
ありがちだと言われればもう何も言えまい。
藍花
藍花
でも
璃夢
璃夢
ん?
藍花
藍花
2人らしくて、良いと思うよ
小さく笑った藍花が見えそうなほど、
その一言はリアルで。
やけに鮮明に私の胸へと届く。
璃夢
璃夢
そうかな、嬉しい笑
藍花
藍花
私は本当に思った事しか言わないからね
璃夢
璃夢
...そうでした
素直じゃ無いなあ、なんて思いながら笑っていると。
藍花
藍花
あともうひとつ!
璃夢
璃夢
おお、なになに?
藍花
藍花
幸せにならなきゃ、許さないよ。
泣くとか論外だから
璃夢
璃夢
...うん。分かった
藍花
藍花
やっと言えた、
さっき言いそびれたんだよね
璃夢
璃夢
そうだったんだ笑笑
大好きな親友からの、きっと1番欲しかった言葉。
璃夢
璃夢
(幸せにならなきゃ許さない、か)
きっと、気持ちが全部こもっていて。
誰よりも正義感が強くて優しいのに、
素直になれない彼女にぴったりだと思った。
璃夢
璃夢
大丈夫、任せて
誓いを込めて、打ち込む。
璃夢
璃夢
恋も、歌い手の仕事も。全部諦めないよ
璃夢
璃夢
だって私、欲張りだから笑
藍花
藍花
言うねwwなら私は...
藍花
藍花
そんな璃夢を、2人を。
見守ってる事にしようかな
璃夢
璃夢
ーうん!見ててね
画面越しに話しているのに、
拳を突き合わせたかのような感覚。
藍花
藍花
はいはい、見てるよ
私達はその時、きっと微笑んでいたと思う。

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