第37話

第36話 莉犬side
2,196
2020/01/27 14:12
学校に着くやいなや、待ちわびた様子の椎名さんが
璃夢に駆け寄って来る。
藍花
藍花
璃夢.....っ!心配したんだからね!?
Twitter...大変な事になってるし
璃夢
璃夢
うん。...ごめんね、藍花
藍花
藍花
私は良いの!璃夢は大丈夫なの?
体調とか...
体調まで心配してくれる親友に、璃夢は心配させまいと微笑むけど。
璃夢
璃夢
大丈夫だよ、ありがとう笑
俺からすれば、丸わかりで。
璃夢
璃夢
ごめん、先に席行ってるね
莉玖
莉玖
(顔色もいつもより悪いし、心配...)
分かった、無理はしないでね?
璃夢
璃夢
うん!じゃあまた後で!
内心は立っているのも辛かったのかもしれない。
足早に席に座った璃夢から力が抜けたのが分かった。
莉玖
莉玖
...........椎名さん
璃夢に聞こえない距離である事を確認して。
同じく心配そうに璃夢を見つめる彼女に声をかける。
藍花
藍花
ー何?
今忙しいんだけど、と言いたげな瞳をこちらに向ける
椎名さんに、Twitter荒らしについて話した。
莉玖
莉玖
今回、璃夢のTwitterを荒らした犯人
だけど...ちょっと心当たりがあるんだ
藍花
藍花
!!本当に!?
思い当たる人物がいる、と伝えた途端。
椎名さんの瞳が一瞬輝いて、俺も微笑む。
莉玖
莉玖
うん。確かめてみないとだけど
犯人は、きっと。
藍花
藍花
出来る限りで私も協力するから。
何でも言って
いつも璃夢の投稿や生放送に否定的、批判的な
コメントを毎回していた人物。
莉玖
莉玖
ーありがとう。(時々、なら俺にだって
いるけど。毎回となると...)
この条件なら、そうそう当てはまる人は居ない。
藍花
藍花
協力するのは当たり前。
璃夢を傷つけた奴を...絶対許さない
ゾッとするような迫力で呟く椎名さんと
必ず犯人を見つけよう、と誓い合った。
莉玖
莉玖
じゃあ俺は璃夢の所、戻るね
藍花
藍花
...今日だけは任せるよ。悔しいけど
莉玖
莉玖
はいはいww任されましたw
椎名さんと交わし慣れた会話をしてから、
俺はぼうっとした顔で座っている璃夢の頬を摘む。
璃夢
璃夢
.......(私、どうなっちゃうのかな)
きっと1番不安なのは璃夢だから。俺がやるべき  
なのは、その不安を少しでも軽くする事。
莉玖
莉玖
璃ー夢。こっち向いて?
大好きだから。
璃夢
璃夢
.....!りっくん...?どうしたの?
どんな時でも、1番近くに居たい。
莉玖
莉玖
俺は、誰かなんと言おうと。
絶対、璃夢の味方だから
莉玖
莉玖
それだけは、忘れないでね
けれど、そう思っていたのは。この段階で既に。
璃夢
璃夢
.........りっくんは、優しいね笑
俺だけだったのかもしれない。
莉玖
莉玖
璃夢が大切だから、当然だよ?
(なんか違和感あるな...なんだろ?)
些細な違い過ぎて気づけなかったけれど。
彼女は、『私も好きだよ』とは。
言わなかったのだから。
璃夢
璃夢
ー.........ありがとう

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