第28話

第27話
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2021/07/27 07:53
私の部屋にて。藍花はクローゼットと向き合っている。
藍花
藍花
んー...これだとちょっと格好良すぎ...
こっちだと可愛すぎるな、練り直し!
服を取り出し、合わせては首を振る作業を繰り返す様子を。
私はクッションを抱えて眺めていた。
璃夢
璃夢
(藍花、真剣に考えてくれてるなあ...)
藍花
藍花
璃夢ー、ちょっとこれ着てみて!
ようやく1つ目の候補が出来上がったらしく、
自信ありげに藍花が私を呼ぶ。
璃夢
璃夢
これ?分かった!
隣の部屋に移動し、着替えて。
璃夢
璃夢
(この服...お気に入りだけど、
こういう着方はした事無かったな)
くるり、と姿見の前で一周する。
そして藍花が待つ自室へと戻り、見せると。
藍花
藍花
これ、良いかも
我ながらいい出来だ、と藍花が呟く。
璃夢
璃夢
うん!私もそう思う
内側はシンプルに、
外側はフワフワとした生地の上着を合わせ。
少しカジュアルに纏められたコーデ。
璃夢
璃夢
(まさしく試合向きだなぁ、
派手過ぎず、地味過ぎず...
さすが藍花)
そして、提案された小物やアクセサリーにも
何一つ文句のつけようが無くて。
藍花を頼って良かったと、心から思った。
その後、取り出した物をしまうのも手伝って貰い。
藍花
藍花
マカロン、凄く美味しかったよ
璃夢
璃夢
本当?今回上手く行ったんだよね
手作りのマカロンと紅茶を出して、少し話して。
分かれ道まで送る道すがら。
璃夢
璃夢
...そういえば。さっきどうやって
りっくん納得させたの?
さっきから聞こうと思っていた事を聞いてみる。
藍花
藍花
あー。あれね。璃夢怒ったりしない?
少し言い淀んだ藍花。何だか嫌な予感がした。
璃夢
璃夢
怒らないと思うけど...
何、私が怒りそうな事なの?
藍花
藍花
捉え方によっては、かな
璃夢
璃夢
何それ...1番難しいやつ
言わないで置く?と首を傾げた藍花に。
曖昧な言い方しないで、と頼むけど。
藍花
藍花
それは無理だよー、
だってこの言い方しか出来ないんだもん
いっそ開き直るその様子に、もう怒りすら沸いてこない。
璃夢
璃夢
はぁ...笑
分かった、聞く。なんて言ったの?
わざわざ覚悟を決めて、聞いたのに。
藍花
藍花
えーとね。璃夢が赤峰くんの為に
気合い入れて頑張ってる事があって。
今日じゃなきゃ私が手伝えないの、って
藍花が口にしたのは思ったよりもまともな言葉で。
璃夢
璃夢
おお...予想してたより普通だった笑笑
失礼だけど拍子抜けしてしまう。
藍花
藍花
璃夢、私を何だと思ってるの?ww
璃夢
璃夢
え?めっちゃ尊敬する親友だけど
可笑しそうに笑う藍花に真顔で返した心からの言葉。
藍花
藍花
今か...言われても嘘くさい...ww
それが親友に届いたかは、
この言葉からは分からなかったけれど。
璃夢
璃夢
(全部じゃ無くてもいいから)
伝わっていてくれれば良いな、と願った。

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