カーテンの隙間から、昇りはじめた日が射し込んで来る。
寝れないと言った割に、結構よく眠った気がした。
ベットから出る事をギリギリまで渋って...
ようやく観念して、起き上がる。
こんな風に雲ひとつない晴れの日は、好きだ。
気持ちまで晴れやかになって、足取りも軽くなるから。
冷蔵庫を覗くと、食パンとハム、レタスなど...
サンドウィッチを作れと言わんばかりの
食材が揃っていたので、従う事にした。
誰もいない、1人きりの食卓で手を合わせる。
安定の美味しさのサンドウィッチに満足しながら
朝食を食べ終え、鏡の前で身支度を整えた。
待ち合わせ3分前。
このくらいから彼を待ち遠しく思い始める。
会いたい。声が聞きたい。
笑ったその顔をずっと見ていたい。
...最近思うのはそんな事ばかりで。
四六時中、彼の事を考えている自分がいる。
ピンポーン♬︎
時間ぴったりに鳴り響いた自宅の呼び鈴。
小走りで玄関まで行き、扉を開けると。
爽やかな笑顔で息をするように褒めてくれる彼。
笑いを隠しきれていないのは、
少し楽しんでいる面もあるからだろう。
今分かった、彼は嘘が下手だ。
そんな所も愛おしいけど。
呆れるほど、そばに居て。
自分が1番近い場所で、
1番の理解者でありたいと願う人だから。
今日も、新しい一日が始まる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。