メンバーの皆さんの到着を待つ間、
ひたすら情報の拡散度を調べる私。
気付かぬ間に、表情が暗くなって居たらしく。
また、心配されてしまった。
いい加減、顔に出るクセを何とかしなくては行けない。
りっくんの言葉に頷いた、その時。
ーピーン、ポーン。
インターホンが鳴り響き。一応、外を確認すると。
明るく大きな声で挨拶をしている方と、
それを窘める男性の姿。
声を聞いただけで、すとぷりのメンバーさんだと分かった。
彼に一声かけてから、扉を開こうとすると。
相変わらず心配症な彼は、私を背中に隠しながら。
ゆっくりの扉に手をかける。
そこまでは良かったのだが。
いざ目の前にして見ると、人見知りが発動されて。
りっくんの後ろから出る事が出来ない。
戸惑うように私を軽く引っ張る彼に、必死で抵抗する。
皆さんからは丁度、私が見えないらしく。
どう見ても私さえ隠れるのを止めれば収まる
言い合いが始まってしまう。
りっくんが困って居るのが見て取れるけど、
今だけは助けられない。
そーっと、リビングに逃げ込もうとすると。
ポンッと肩に手を置かれて。
そこからは早かった。
あっという間に皆さんの前に立たされて。
怖いけど、礼儀はしっかりしないと。
彼の信頼性も疑われてしまうから。
丁寧に、頭を下げ。皆さんと目を合わせる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!