第75話

『初めての大ゲンカ......!?⑥』
1,527
2020/07/25 17:15
【璃夢side・藍花side】
話し込んで居ると、時間はあっという間だ。
なかなか寝ようとしない私を心配した藍花が。
藍花
藍花
璃夢、もう3時になったよ?
寝なくて良いの?
やんわりと睡眠を取るように促してくれるが。
璃夢
璃夢
...寝れる気がしなくてさ...ありがとう
目を閉じるのが怖くて、眠れない。
幸せだった日々も、忘れてしまいそうで。
璃夢
璃夢
藍花.....私...
親友の瞳に映る自分は、泣きそうな顔をして居る。
藍花
藍花
..........................
ボロボロな状態の私を数秒見つめた藍花は。
藍花
藍花
...ちょっと、行って来る
よいしょ、と小さく声を出しながら立ち上がった。
璃夢
璃夢
...え?どこ行くの.....まだ陽も出てないよ?
その動作に合わせて、私も視線を上に向ける。
正直、1人になりたくないと言う気持ちもあり、止めると。
藍花
藍花
大丈夫だから。璃夢は待ってて
迎え入れてくれた時と同じ笑顔で頭を撫でられる。
璃夢
璃夢
...でも......私も
更に言葉を続けようとした私を止めるのも上手い。
藍花
藍花
お願いだから。ね?
相変わらずお母さんみたいだな、と思ってしまい。
璃夢
璃夢
____うん
藍花
藍花
ありがと。すぐ戻るからね
それ以上しつこく出来ないまま、彼女の背中を見送った。
****
璃夢に......大好きな親友に背中を向けたと同時に。
私の笑顔は嘘のように消える。
それ位、璃夢が初めて好きになった人に怒って居た。
藍花
藍花
(あの子の好きを踏みにじったら...
幾ら赤峰くんでも許さない)
彼なら頼めると思ったから、密かに応援したのに。
藍花
藍花
(......ちょっと話をしないとだよね)
もし、このまま...何て事になったら。
1発と言わずに、頬を叩いてしまうかも知れない。
藍花
藍花
...トーク画面開くのも久々かも
手早く某メッセージアプリの中から彼の連絡先を見つけ。
通話ボタンをタップし、コール音が途切れるのを待つ。
莉玖
莉玖
.........はい
そんなに待たずして聞こえた声の低さに。
藍花
藍花
(今回は出るの早い)
話の内容に察しが付いて居るんだなと気付いた。
それでも、一応。
藍花
藍花
久し振りだね、赤峰くん。
何で私がこんな時間に電話したか分かる?
.......と聞くと。
少し苛立った返事が帰って来た。
莉玖
莉玖
...そっちに璃夢が居るって所じゃ無いの
苛立ちたいのは、怒りをぶつけたいのは。私の方だ。
藍花
藍花
うん、正解。話も大体...聞いたんだけどさ
それでも、"まだ"必死に抑えて。
莉玖
莉玖
.......うん
冷静に話を続けると。
藍花
藍花
今回の件、璃夢の悪い所って言えるの?
璃夢も知らない、彼が追い出した後の裏側が。
莉玖
莉玖
...悪い所って言うか.......
藍花
藍花
.......あー.....
______見えて来た。

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